泉房穂(前)市長の御言葉を検証する明石市民の会

泉房穂(前)市長の過去の発言を振り返り、明石や日本の将来について考えます

某市長さんは、もしかすれば深刻なSNS依存なのかしら

2022年12月26日の神戸新聞朝刊に、ギャンブル依存症についての記事がありました。この記事の冒頭部分を引用します。

 

なぜギャンブル依存?楽しんでいたはずが、気が付けば深みに…精神科医が指摘「誰しもなりうる病気」

 

 カジノを含むリゾート施設の誘致を巡る議論で、増加が懸念されるギャンブル依存症。今年春に山口県内であった誤給付金を巡る電子計算機使用詐欺事件の被告のようにネットカジノの深みにはまる人も増えているという。一体どんな病気なのか。家族はどう関わればいいのか。ギャンブル依存症問題に詳しく、この夏、神戸で開かれた依存症当事者や家族の支援を考える意見交流会で講演した昭和大付属烏山病院(東京都)精神科の常岡俊昭医師に改めて聞いた。

 

■脳の機能障害 依存「意志の弱さ関係ない」

 ギャンブル依存症は脳の機能障害。快楽物質と呼ばれるドーパミンが依存対象にだけ放出されやすくなり、それ以外の刺激では出にくくなる。常岡医師は「嫌な気持ちを抱えている時などに、ギャンブルや酒で気分が晴れた経験などが入り口になりやすい。誰しもなりうる可能性がある病気だ」と説明する。

 では、のめり込んでしまうのはなぜか。「刺激に対して少しずつ耐性ができ、つぎこむ時間やお金が増える。するとギャンブルを楽しんでいたはずが、支配されるようになるのがその理由だ」と常岡医師。

(以下、略)

 

この記事を読んでいて、ギャンブル依存症対策に熱心に取り組まれている、某市長さんのことが頭に浮かびました。そのお方は、ギャンブル依存症ではないものの、別の依存症(アディクション)なのではないか、と。

 

精神医学の領域では、依存症は、物質依存(substance dependence)と行動嗜癖(behavioral addiction)に大別されているようです。物質依存は、アルコールやニコチン、覚醒剤などのドラッグの反復使用を続けた結果、使用を止められなくなってしまう病態です。「渇望(依存対象への強烈な欲求)」や「コントロール障害(減らそう、止めようと思ってもできない)」「禁断症状・離脱症候・退薬症候(減らしたり、止めたりすると生じる不快な症状)」「耐性(以前より大量に使用しないと、以前と同様の効果が得られなくなる)」など特有の症状を呈します。

 

物質への依存ではないものの、特定の行動を繰り返すことによって、物質依存と同様の病態を示すことが精神病理学的に証明され、このような病態は、行動嗜癖と呼ばれています。典型例はギャンブル依存です。ほかにも、ゲーム依存、セックス依存、買い物依存などが、社会病理として注目されてきました。インターネット依存、SNS依存、SNS中毒が、学業や仕事に深刻な悪影響を及ぼしていることも近年、問題視されています。

 

冒頭に取り上げた神戸新聞の記事の中の「ギャンブル」を「SNS」、「お金」を「労力(手間暇)」に置き換えてみましょう。

 SNS依存症は脳の機能障害。快楽物質と呼ばれるドーパミンが依存対象にだけ放出されやすくなり、それ以外の刺激では出にくくなる。**医師は「嫌な気持ちを抱えている時などに、SNSや酒で気分が晴れた経験などが入り口になりやすい。誰しもなりうる可能性がある病気だ」と説明する。

 では、のめり込んでしまうのはなぜか。「刺激に対して少しずつ耐性ができ、つぎこむ時間や労力(手間暇)が増える。するとSNSを楽しんでいたはずが、支配されるようになるのがその理由だ」と**医師。

 

いわゆるSNS依存症は、特に若い世代や女性に多いとされていますが、中には、中高年の男性でもSNSにのめり込んでしまう人が少なからずいるようです。1日10通以上のツイートを書き込まないと気が済まない某市長さんも、もしかすれば深刻なSNS依存、ツイッター依存なのかも知れませんね。トップがSNS中毒になってしまうと、本人のみならず部下の人たちの士気も低下し、組織全体のパフォーマンスの低下は必至ではないかと懸念します。

 

一般情報サイトからの引用ですが、英国のビジネス心理士のエリッサ・マクリス氏によると、SNSの利用が問題あるいは中毒となるのは、そのユーザーが衝動制御障害に似た異常な行動パターンを見せ始めたときのようです。具体的には、次のような行動です。

  • SNSを使いたいという衝動を感じる。使えないとネガティブな精神状態になり、怒りやフラストレーションといった強い感情が湧く
  • 自分が逃していること、他人がしていること、自分の投稿の注目度ばかりを気にする
  • SNSから離れていると、不安や異常な欠乏感に襲われる
  • オンラインとオフラインのバランスが取れず、時間と思考の大半をSNSに奪われているSNSを使っていないときも、SNSのことを考えている。
  • 極度の不安や執着から、交渉や危険な行為に走ってでもSNSにアクセスしようとする。

(出典)

https://www.womenshealthmag.com/jp/wellness/a39100009/social-media-addiction-20220303/

 

 

また、京都女子大学現代社会学部の正木大貴教授は、「なぜわれわれは SNS に依存するのか?」と題する論文(研究ノート)において、次のように指摘しています。

http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/handle/11173/3029

特に若い世代において、SNS は日常に深く入り込んでおり、依存傾向の高い人は、現実の人間関係やコミュニケーションにストレスを抱えている

 さらに SNS は、注目を浴びたいという賞賛獲得的な承認欲求を満たしてくれるだけでなく、「みんなから嫌われたくない」という拒否回避的な承認欲求を保障してくれるものとして重要な意味を持っている。

そのため SNS 依存の人たちは、過剰なほどコミュニケーションに気を使いながらも自分を理解してくれる人との結びつきを強く求めるようになった。その結果、人間関係に対する嗜癖が形成された

 

ちなみに、わが国の依存症治療の総本山とされている久里浜医療センターでは、20項目からなる簡易スクリーニング「IAT : Internet Addiction Test (インターネット依存度テスト)」を開発し、ホームページで公開しています。ツイッターにのめり込んでおられる方は、設問の中の「インターネット」を「SNS」「ツイッター」に置き換えて、自己チェックをされてはいかがでしょうか。

https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/screening/iat.html

  1. 気がつくと思っていたより、長い時間インターネットをしていることがありますか。
  2. インターネットをする時間を増やすために、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがありますか。
  3. 配偶者や友人と過ごすよりも、インターネットを選ぶことがありますか。
  4. インターネットで新しい仲間を作ることがありますか。
  5. インターネットをしている時間が長いと周りの人から文句を言われたことがありますか。
  6. インターネットをしている時間が長くて、学校の成績や学業に支障をきたすことがありますか。
  7. 他にやらなければならないことがあっても、まず先に電子メールをチェックすることがありますか。
  8. インターネットのために、仕事の能率や成果が下がったことがありますか。
  9. 人にインターネットで何をしているのか聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがどれくらいありますか。
  10. 日々の生活の心配事から心をそらすためにインターネットで心を静めることがありますか。
  11. 次にインターネットをするときのことを考えている自分に気がつくことがありますか。
  12. インターネットの無い生活は、退屈でむなしく、つまらないものだろうと恐ろしく思うことがありますか。
  13. インターネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、大声を出したりすることがありますか。
  14. 睡眠時間をけずって、深夜までインターネットをすることがありますか。
  15. インターネットをしていないときでもインターネットのことばかり考えていたり、インターネットをしているところを空想したりすることがありますか。
  16. インターネットをしているとき「あと数分だけ」と言っている自分に気がつくことがありますか。
  17. インターネットをする時間を減らそうとしても、できないことがありますか。
  18. インターネットをしていた時間の長さを隠そうとすることがありますか。
  19. 誰かと外出するより、インターネットを選ぶことがありますか。
  20. インターネットをしていないと憂うつになったり、いらいらしたりしても、再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがありますか。

 

 

(写真の出典はこちら)

SNSに依存しすぎていませんか?ドキッとする風刺画14枚
https://tabi-labo.com/275793/pawelkuczynski-caricature-art-sns

「風刺漫画」に見るSNS依存症。本当のつながりって、ナニ?
https://tabi-labo.com/265819/phubbing