泉房穂(前)市長の御言葉を検証する明石市民の会

泉房穂(前)市長の過去の発言を振り返り、明石や日本の将来について考えます

「赤ちゃん応援給付金」の財源は市長のポケットマネー? 泉房穂の盗人根性(その4)

さて問題です。明石市では「赤ちゃん応援給付金給付事業」として令和2年4月28日から令和3年4月1日までに生まれた新生児の保護者に対し、10万円が支給(総事業費2億4451万円)されました。この事業の財源は何でしょうか(費用は誰が払っているでしょうか)?

(1):泉房穂市長のポケットマネー(個人資産)
(2):明石市の市税(市民があまねく負担)
(3):国の税金(国民があまねく負担)
(4):明石市の市債(市民が将来負担する借金)
(5):その他

 

 

さらに関連した更問です。明石市で令和2年度に実施された「赤ちゃん応援給付金給付事業」は、次のうちどれに該当するでしょうか。

(1):全国で唯一、明石市のみで実施された他の追従を許さない泉房穂市長による革命的な子育て支援

(2):明石市に加え、泉市長を崇拝する首長がいるごく少数の自治体のみで実施された先端的な子育て支援

(3):全国の少なからずの自治体で類似の事業が実施されており、泉市長が独自策だと自画自賛するのは愚かしい子育て支援

(4):全国ほぼ全ての自治体で類似の事業が実施されており、泉市長が独自策だと自画自賛するのは恥の上塗りである子育て支援

 

 

ちなみに、「明石たうんず」という明石のタウン情報サイトでは、令和2年8月のツイートで、「明石市独自の支援策!」と紹介されていましたね。

 

また、一時期、市長選への立候補の意思を表明されていた、生涯偏差値20を標榜する瀬戸麻希さんは、令和2年8月に次のようにツイートされています。

 

 

「赤ちゃん応援給付金」の背景事情

「赤ちゃん応援給付金給付事業」とはどのような事業であるかを理解するためには、回りくどい説明になりますが、「特別定額給付金」のことを振り返っておく必要があります。「特別定額給付金」のことを覚えているでしょうか。令和2年のゴールデンウィーク明けから秋口にかけて、国の予算により、全国民に1人10万円が支給された事業です。令和2年4月20日閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」に基づくもので、4月30日に国会で成立した補正予算により実施されました。

 

特別定額給付金は、新型コロナウイルス感染症の流行により社会機能が麻痺し、商店街から人影が消え、企業の倒産も相次ぎ、多くの国民が経済的な苦境に立たされる中で、家計への支援を行うことを目的としたものでした。当時の状況を振り返ると、未曾有の国家的危機とも言うべき事態に直面するなか、国民の生命・生存を維持する上で、一定の効果があったと思われますが、この事業は構想段階から政争の具にされてきました。

 

もともとは、現総理の岸田氏が自民党政調会長として、低所得世帯に限り1世帯につき30万円を給付する案をまとめ閣議決定を行いました。ところがこの案は、激しい批判にさらされ、結局は、二階幹事長と公明党が岸田案をひっくり返し、国民1人10万の一律給付の方針で決着した、というエピソード、懐かしいですね。

 

さて、1人10万円の現金給付という大方針は国が一律に定めているものの、実施方法等は各市町村に委ねられ、自治体によって受付時期や受付方法等がバラバラだったことから、事業開始後には全国津々浦々で混乱が生じました。国民全員に支給といいつつ、世帯単位での給付となったことも混乱に拍車をかけました。



このようなことから、この事業は国民の間で必ずしも前評判が高かったわけではありませんが、いざ現金を入手できると、大抵の国民は満足し、不平の声は次第に収まっていきました。けれども、給付の対象から漏れてしまった人からは、不平不満の声が相次ぎました。「給付の対象から漏れてしまった人」とは具体的にどのような人のことでしょうか。

 

特別定額給付金の給付対象となったのは、令和2年4月27日という基準日に住民票に記載されていた人です。同年の4月27日に死亡した人には、遺族に支払われました。また、4月27日生まれの人は、保護者に支給されました。ところが、4月28日以降に生まれた新生児は、制度上支給対象外となったのです。

 

出産予定日が4月28日以降だったのが、4月27日よりも前に生まれると10万円がもらえます。しかし逆に、4月27日以前が予定日だったものの、出生が28日以降にずれ込んだら、生まれてきた子どもには10万円が給付されないのです。1日違いだけで不公平ではないか。全国市町村の窓口には、4月28日以降に生まれた新生児の保護者からクレームが殺到しました。

 

コロナ禍における妊娠・出産、そして産後の育児生活は、何かと不自由が強いられ過酷なものでした。とりわけ、コロナ禍の初期段階である令和2年の時期の妊娠や新生児の育児は、未知なる感染症への恐怖に加え、外出制限が続き孤独の中で悲惨極まりないものでした。両親学級は中止、妊婦健診は縮小、出産時の立ち会いや面会は不可、マスク着用のもと呼吸苦を訴えながらの分娩、産後ケアなど産後のサポートも軒並み中止・縮小されるなど、深刻な状況を考慮すると、4月28日以降に生まれた子どもの親が給付対象から外れたことに立腹するのは、無理からぬことです。

 

そこで、出生日が4月28日以降であり、特別定額給付金の給付対象とならなかった人を対象に、補足的に設けられたのが、明石市では「赤ちゃん応援給付金給付事業」という名称の事業だったのです。

 

「赤ちゃん応援給付金」の対象者と財源

「赤ちゃん応援給付金給付事業」では、特別定額給付金の給付対象から漏れた新生児、具体的には令和2年4月28日から令和3年4月1日までに生まれた新生児の保護者を対象に、10万円が支給されました。明石市でこの事業で給付対象となった新生児は2443人で、決算額は令和2年度と3年度併せて2億4451万円でした。



「赤ちゃん応援給付金給付事業」は、コロナ禍における過酷な妊娠・出産・新生児育児の実態を考慮すれば、その当事者への公助の仕組みとして、政策的な意義の高い事業であったと肯定的に評価すべきと考えます。では、この事業の財源は何だったのでしょうか。「特別定額給付金」が全額国の予算で実施されたことはよく知られていますが、実は、明石市の独自策と謳われた「赤ちゃん応援給付金給付事業」についても、ほぼ全額が、国からの補助金である「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用して実施されたのです。

 

厳密に言えば、751万円ほど一般財源が充てられていますが、全体のウエイトからすると微々たる金額です。なので、この記事の冒頭の質問の答えは、費用負担者は「(1):泉房穂市長のポケットマネー(個人資産)」でも「(2):明石市の市税(市民があまねく負担)」でもなく、「(3):国の税金(国民があまねく負担)」が正答です。

 

「赤ちゃん応援給付金」は明石市の独自策?

特別定額給付金の給付対象から漏れた新生児を対象に、明石市では補足的に「赤ちゃん応援給付金給付事業」が実施され、その財源はほぼ全額、国から市に交付されたものであることを見てきました。

 

ここで、冒頭の更問を、もう一度引用します。

 

さらに関連した更問です。明石市で令和2年度に実施された「赤ちゃん応援給付金給付事業」は、次のうちどれに該当するでしょうか。

 

(1):全国で唯一、明石市のみで実施された他の追従を許さない泉房穂市長による革命的な子育て支援

(2):明石市に加え、泉市長を崇拝する首長がいるごく少数の自治体のみで実施された先端的な子育て支援

(3):全国の少なからずの自治体で類似の事業が実施されており、泉市長が独自策だと自画自賛するのは愚かしい子育て支援

(4):全国ほぼ全ての自治体で類似の事業が実施されており、泉市長が独自策だと自画自賛するのは恥の上塗りである子育て支援

 

事業の名称は自治体によって様々ですが、明石市の事業と同様に、特別定額給付金の給付対象から漏れた新生児に給付を行う事業が、兵庫県内の市に限っても、姫路市尼崎市、西宮市、洲本市伊丹市加古川市赤穂市三木市川西市川西市加西市加東市たつの市丹波市南あわじ市、あわじ市、宍粟市などで実施されました。これらの自治体ではいずれも事業の実施にあたり、国からの補助金である「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が活用されています。

 

給付の水準については、特別定額給付金と同額の10万円を給付した自治体が多かったようですが、給付額は5万円だった自治体もあります。また、丹波市のように、現金ではなく、商品券の形で給付を行った自治体もありました。なお、明石市を含め多くの自治体では、新生児への給付は令和2年度の単年の事業でしたが、姫路市南あわじ市宍粟市では令和3年度に生まれた新生児にも給付が継続されていました。

 

東京都では、市区町村の事業としてではなく都の事業として、特別定額給付金の給付対象から漏れた新生児を対象として、1人あたり10万円相当の育児用品や子育て支援サービス等を提供する「東京都出産応援事業」が実施されました。

 

何が言いたいか、わかりますよね。「赤ちゃん応援給付金給付事業」のことを、泉市長は、明石市独自の支援策と自画自賛していますが、「全国で唯一、明石市のみで実施された他の追従を許さない泉房穂市長による革命的な子育て支援策」では決してないのです。全国の多くの自治体において、ごくごく当たり前の住民へのサービスとして実施されており、泉市長が独自策だと自画自賛するのは愚の骨頂です。他の自治体では、コロナ禍における市民への支援策について自分の手柄だと威張るような馬鹿な首長は存在しません

 

明石市には、泉市長の言い分を真に受けるピュアな市民が少なくないようですが、今回紹介した事業のように、泉市長が独自策だと自己陶酔している事業の中には、他の自治体でもごく普通に実施されているものが少なくありません。それどころか、他の自治体では当たり前のように行われているにも関わらず、明石市では未実施の子育て策も存在します。決して、明石市子育て支援が全国最先端という訳ではないという、正しい認識を持つようにしましょうね。

 

 

 

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