泉房穂(前)市長の御言葉を検証する明石市民の会

泉房穂(前)市長の過去の発言を振り返り、明石や日本の将来について考えます

庶民の味方を装う泉房穂・明石市長の超高給取りの実態(中)

 

 

2022年8月17日に、泉房穂明石市長殿は、テレビ各社の給与リストをわざわざ引用して、「TBSなどは、平均年収にして1600万円以上の高収入だが、世の中、そんな年収があるのは、テレビ局など、ほんのひと握り。」と、つぶやいておられました。

 

ところがどっこい、泉市長は、TBSの平均年収を200万円以上上回る、1900万円ほどを、明石市から毎年受け取っているという事実を、前回の記事「庶民派を自称する泉房穂・明石市長の超高給取りの実態(上) 」で紹介しました。今回の記事では、前回に引き続き、我らが泉市長の給料について考察していきます。

akashi-shimin.hatenablog.jp

 

明石市長」「給料」の2語でGOOGLE検索

野次馬根性で「明石市長」「給料」の2語でGOOGLE検索をかけたところ、トップに表示されたのは、「給料.com」の「明石市兵庫県)職員の月収・年収を知る」という記事を出典とする「明石市長の月収」でした。2位に表示されたのは、「Komuinfo」という公務員情報サイトの「【2023最新】明石市役所の年収について徹底解説!基本給」という記事でした。ちなみに3位表示は、明石市のホームページの「人事行政の運営等の状況」でした。



GOOGLEの検索結果でトップ表示された「明石市長の月収」の記載内容を目にしたとき、一瞬目を疑いました。GOOGLE先生によると、明石市長の平均給料月額は75.88万円、全国順位は980位と掲示されているのではありませんか。

 

本ブログの前回記事を読まれた読者の方は、GOOGLEの表記に違和感を持つのではないでしょうか。確か、明石市長の給料月額は108万円ほどで、東洋経済の記事によると全国順位は98位だったはずではないか。月給の額が30万円以上も食い違っているし、全国順位は、GOOGLEによると980位、東洋経済では98位で、ちょうど一桁違っているけど、どういうこと? どっちが正しいの? このような疑問を抱いている方がおられるのではないでしょうか。

 

結論を言うと、GOOGLEの表記も、東洋経済の記事も両方とも誤りではありません。ただし、両者は時点が違うのです。東洋経済のデータは令和2年のものであるのに対し、GOOGLEの検索結果を凝視すると、2016年と記載されています。「平均月額は758,800円、全国順位は980位」というGOOGLEの表示は、今から7年も昔の数値なのです。

 

現時点で地球上で最高の頭脳を持ち、常に最新情報をアップデートしているはずのGOOGLE先生が、泉房穂市長の給与額について7年間も情報更新することなく、2016年の古い情報を掲載し続けていることがにわかに信じられません。

 

もしかすれば、GOOGLE先生の頭脳中枢は、自身よりも泉房穂市長のほうが高度な知性を有すると判断し、そんな泉市長に敬意を表し、泉市長のことを忖度して、低めの給与額を表示しているのでしょうか。それとも、朱に交わればナンとかで、泉市長に関わると、コンピューターであっても錯乱状態に陥り、正常な判断ができなくなってしまうでしょうか。泉市長、恐るべしです。

 

 

公務員情報サイト「Komuinfo」による明石市の給料

次に、「明石市長」「給料」の2語検索で2番目に表示された「Komuinfo」という公務員情報ウェブサイトの「【2023最新】明石市役所の年収について徹底解説!基本給」という記事を見てみましょう。

https://www.komuinfo.com/entry/2019/01/10/200300/



KomuInfoは、公務員や独立行政法人などの給与水準や採用情報、懲戒処分情報などを網羅的に発信している情報サイトで、公務員志望者や就活生にとって貴重な情報源であるのみならず、オンブズマン系の人たちや野次馬にとっても興味深いデータが満載されています。

 

前回の本ブログ記事でも少し言及しましたが、公務員の年収の全貌を把握するのは至難の業です。というのも、月々の基本給や期末手当に加え、地域手当や寒冷地手当など一律に加算される諸手当、勤務状況や業績等に応じて給付される超過勤務手当や勤勉手当などの手当があるからです。

 

「Komuinfo」の「【2023最新】明石市役所の年収について徹底解説!基本給」では、記事の前半部分では、明石市の一般行政職員の給与について、基本給や諸手当、期末手当などの項目毎に、2006年度から2022年度までの17年間の推移が網羅的に掲載されています。ラスパイレス指数や退職金の推移も載っており非常に奥深いですが、深入りせず、諸手当や期末手当など全て包含した平均年収(ただし残業代(超勤手当)は除外)の表だけを引用します。



この表では、明石市役所の一般公務員と、全国の自治体における一般公務員の平均値について17年間のトレンドが表示されていますが、明石市役所の一般公務員については2006年から2017年にかけては微妙に右肩下がり、2018年以降は横ばいであることが読み取れます。全国の自治体における一般公務員の平均値についても、2006年から2014年にかけては微妙に右肩下がり、2014年以降はほぼ横ばいのようです。

 

いずれにしても、一般公務員の給与水準は、泉房穂市長が2022年7月12日のツイートで引用している「世界の平均賃金の推移」の表の傾向と合致しますね。2022年7月12日のツイートで泉市長は、「日本以外は、給料は上がり続けている。日本だけは、給料が上が」っていない、「『平均賃金』が30年間も上がっていないのは、G7で、日本だけ」という主張の裏付けとして、「世界の平均賃金の推移」の表を載せています。

 

泉房穂市長の給料の推移

それでは、泉房穂氏が市長に就任してからの明石市長の給料は、どのように推移してきたのでしょうか。市長ご自身の給料も、就任後全く上がっていないのでしょうか。

 

「Komuinfo」の記事の後半部分では、市長及び副市長の給料月額の推移を示されています。泉市長が就任した2012年度以降の部分を引用しましょう。

 

この図を見ると、2012年から2019年にかけて給料は横ばいですが、2020年には対前年比で急に30%ほどアップし、2020年から2022年にかけては2019年までと比べ給料が30%上昇していることが判ります。

 

いったい、これはどう言うことでしょうか。泉市長は、日本だけは給料は上がっていないだの、給料が上がらず生活は苦しくなっているだのといったツイートを繰り返していますが、ご自身だけは例外のようです。ご自身は超越的存在だということなのでしょうかね。

 

明石市民はご存じのことと思いますが、泉市長は2011年に市長選に立候補した際には、給料の3割カットを公約に掲げていました。そして当選後には実際、給料の3割カットに踏み切りました。給料の3割カットは、第1期と2期目の8年間続きました。

 

明石市特別職の職員の給与に関する条例」の附則第14条において、平成23年7月から平成27年4月まで、市長の給料月額の3割カットが規定されています。また、同条例の附則第16条において、平成27年8月から平成31年4月まで、同様に市長の給料月額の3割カットが規定されています。さらに、同条例附則17条及び20条の規定により、平成27年5月から7月までの給料月額と、同年6月の期末手当の額が、遡及的に減額調整されています。

 

例の本則では、明石市長の給料月額は、108.4万円と定められていますが、3割カットで108.4万×0.7=75.88万円となり、年間12ヶ月で910.56万円の支給額だったことになります。本記事の冒頭で、GOOGLEでは明石市長の平均月額は758,800円、全国順位は980位と掲示される旨を指摘しましたが、これは3割カット期間中の給料だったのです。

 

3割カットは期末手当(ボーナス)にも連動します。明石市の特別職の期末手当は、年2回、給料月額の約2ヶ月分の額に20%を加算した額が支給されますが、3割カット期間中の期末手当の支給額は75.88×2ヶ月分×2回×1.2=364万円強と算定されます。結局、泉房穂市長の第1期と第2期の期間の給料は、月額給料と期末手当を合計して、年間1275万円程度であったことになります。

なお、期末手当の額は、厳密には毎回微妙に異なります。というのも、期末手当における支給月数は、景気動向人事院勧告を踏まえ、都度改正されるからです。具体的には、3割カット期間中の支給月数は、1.875~2.3と変動がありますが、概ね2と見なして給料額を算出しました。

 

しれっと3割カットを中止して超高給取りに

泉市長は、1期目と2期目については、初当選時の公約通り、給料の3割カットを行っていました。ところが、3期目に入った途端に、ひそかに3割カットを中止してしまいました。令和元年5月以降、給料3割カットを止めた理由を、泉市長は、部下への暴言で引責辞職した後の3月の出直し選と、任期満了に伴う4月の市長選で公約しなかったからだと何食わぬ顔で述べています。

 

1期目、2期目には、3割カットによって年間給与総額は1275万円程度であったのが、3期目は、しれっと3割カットをやめたことにより、年間給与総額は約1900万円に急増したのです。

 

明石市では平成30年6月に、元・産業文化振興部長が2年間に部下10人に対し、パワハラやセクハラを繰り返していたとして、停職6か月の懲戒処分を受けました。これを受けて泉市長は、監督責任があったとして、同年7月から3ヶ月間、給与を10%減額していました(明石市特別職の職員の給与に関する条例附則第22条)。

 

その後、令和元年1月に自身のパワハラが発覚し、「許されないものであり、処分を受けるのは当然だと思っている」と述べ、3月に引責辞任するも、出直し選に出馬しました。そして当選した暁には、悪びれること無く、自身の給料を3割引き上げてしまったのです。

 

ちゃっかりと2000万円近い高給を稼ぐ泉市長殿は、自身の収入のことは棚に上げ、素知らぬ顔で「TBSなどは、平均年収にして1600万円以上の高収入だが、世の中、そんな年収があるのは、テレビ局など、ほんのひと握り。」などと平然と主張しつつ、自身が庶民派であることを偽装するため、TBSからほど近い東京・赤坂見附では、300円代の低価格帯のそば屋で食事したことなどを、強くアピールしておられるのです。泉房穂なる人物の卑しさ、浅ましさ、下劣さ、ここに極まれりですな。