泉房穂(前)市長の御言葉を検証する明石市民の会

泉房穂(前)市長の過去の発言を振り返り、明石や日本の将来について考えます

いい部屋ネットとライフル・ホームズでの成績は? 不動産業界の各種ランキングに見る明石市の本当の実力(その2)

先般の本ブログ記事において、明石市の広報誌で「明石のまちが選ばれています」との見出しのもと、3つのランキングで明石が「第1位」だとする図表が張り付けられていること、そして、それを泉房穂市長がご満悦でツイートしていることに触れました

 

その上で、この手のランキングものは、マスコミや不動産関連企業、コンサル会社など様々な調査主体が手掛けており、同じようなジャンルのものであっても、結果が大きく異なるのが実情で、自らの自治体が上位にランキングされているものだけを作為的にチョイスして、自慢げに市民に提示するのは不誠実で滑稽なことだと指摘しました。

akashi-shimin.hatenablog.jp

 

前回の記事では、
長谷工グループ、
②MAJOR7(メジャーセブン)、
③いい部屋ネット(大東建託)、
④LIFULL HOME’S (ライフル)、
⑤生活ガイド.com(株式会社ウェイブダッシュ)、
⑥suumo(リクルート)、
⑦ARUHI(アルヒ)
の7つの企業やブランドが「住みたい街」系のランキングを公表していることを、まず紹介しました。

 

そして、ランキング結果を見る際留意事項ついて解説した上で、①長谷工グループと、②MAJOR7(メジャーセブン)の調査結果を取り上げました。

 

akashi-shimin.hatenablog.jp

 

今回の記事では、前回に引き続き、③いい部屋ネット(大東建託)と④LIFULL HOME’S (ライフル)のランキングを取り上げ、明石がどのように評価されているか見ていきます。

 

「いい部屋ネット」のランキング

https://www.eheya.net/sumicoco/

 

大東建託という会社名を知る人はそれほど多くないと思いますが、「いい部屋ネット」を知らない人はいないでしょう。いい部屋ネットを運営する大東建託が、株式会社マクロミルの登録モニタ約64.6万人を対象に、街の住み心地や住みたい街などについてインターネット調査を行っており、その結果をランキングとして公表しています。

 

 

この調査はかなり大がかりなもので、調査項目は多岐にわたっており、全国集計、首都圏/関西などブロック別、都道府県別の集計など、公表データもかなり込み入ってます。自治体や学術研究機関に対して詳細データの提供を明記しており、この手のランキングものの中では、最も信頼性が高い調査だと思われます。

 

まず、住みここち(自治体)ランキング2022を見てみましょう。

https://www.kentaku.co.jp/miraiken/market/pdf/research/sumicoco/release_sumicoco2022_zenkoku_20220824.pdf

 

全国集計で上位699位(政令市は行政区単位)までのランキングが載っていますが、さて明石市は何位だと思いますか。まず50位までの表を見てみましょう。

 

 

残念ながら、明石市は50位以内にはランクインしていません。51位以下の表も見ていきましょう。

 



2022年の結果では、明石市は122位となっています。前年は129位だったようです。ちなみに明石市居住の回答者数は1700人だったようで、サンプル数を考慮すると、かなり確度や信憑性の高いデータだと思われます。泉市長殿は日頃から明石市はナンバーワンと自慢ばかりしていますが、実際の市民の住み心地の満足度はこのレベルなのが真相のようです。

 

次に、住みたい街ランキング2022の全国TOP50のランキング表を見てみましょう。

 


残念ながら、明石は50位までに入らず、圏外です。このランキングでは、三大都市圏以外の地方都市が目立ちます。というのも、現在居住する都道府県・都市圏への投票を除外して集計しているからであって、今居住している地域から離れて移住するとしたらどこがいいか、という視点でのランキングです。地域活性化・移住政策などを検討する上では非常に興味深いユニークなランキングですが、一つ言えることは、明石市は全国レベルでは全く知名度や魅力がないということが露呈しています。

 

他方で、住みたい街ランキング2022<関西版>のランキングも公表されています。
https://www.kentaku.co.jp/miraiken/market/pdf/research/sumicoco/release_sumitai2022_kansai_20220615.pdf

 

こちらは、関西(2府4県)の居住者に、住みたい街(自治体と駅)を質問したもので、自治体では明石市は第5位、駅としては明石駅が第6位にランクインしているようです。

 



明石市が局地的に一定の人気があるのは紛れもない事実です。しかし関西圏に居住する本調査の回答者3万人強のうち、西宮市や西宮北口を500人以上の人が選択しているのに比べると、明石市明石駅と回答したのはせいぜい180人ないし184人に留まっています。しかも、明石駅と得票した184人のうち、85.6%が県内居住者で占められています。すなわち、県外で明石を評価する人はごく限られており、明石の人気の度合いの限界を物語っています

 

ライフル・ホームズのランキング

https://www.homes.co.jp/cont/data/corona_s_ranking_2023_kinki/

 

不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S(ライフル ホームズ)」では、自社サイトに掲載された賃貸物件・購入物件について、問合せの多かった駅名をそれぞれ集計し、「借りて住みたい街」ランキング、「買って住みたい街」ランキングとして、首都圏版と近畿圏版をそれぞれ定期的に公表しています。近畿圏版は大阪、京都、兵庫の3府県が対象です。

 

 

現時点で直近のものは、2022年1月から6月までの問い合わせ件数を集計した「〈近畿圏版〉コロナ第7波下での住みたい街ランキング(2023年版中間結果)」がホームページ上で掲載されています。このランキング結果を見てみましょう。

 

まず、賃貸物件の問い合わせ件数の集計である「借りて住みたい街」ランキング2023年版中間結果では、明石は14位(前回は8位)だったようです。なお、兵庫県内では、三ノ宮(1位)、武庫之荘(阪急神戸本線)(9位)、神戸(10位)、姫路(11位)が明石よりも上位に位置しています。同社では、「「姫路」「明石」がランクダウンして大阪中心部への一極集中が加速」と分析しています。

 



次に、購入物件の問い合わせ件数の集計である「買って住みたい街」ランキング2023年版中間結果では、明石は13位(前回から25位アップ)だったようです。なお、兵庫県内では、姫路(1位)、垂水(7位)、三ノ宮(14位)、立花(18位)などがランクインしています。

 

 

賃貸物件では前年と比べ姫路や明石の人気が低調であるのに、購入物件では姫路・明石が比較的好調となっています。物件供給量の差を反映しているのか、物件の価格や地域特性などから、明石以西では持ち家の購入志向が強いのか、この調査結果だけではなんとも言えませんが、興味深いデータです。