泉房穂(前)市長の御言葉を検証する明石市民の会

泉房穂(前)市長の過去の発言を振り返り、明石や日本の将来について考えます

「出産・子育て応援給付金」の財源は市長のポケットマネー? 泉房穂の盗人根性(その1)

さて問題です。明石市では2023年1月から、出産・子育て応援給付金の支給が始まりました。妊娠一回あたり5万円、乳児一人あたり5万円が支給されますが、この事業の財源は何でしょうか(費用は誰が払っているでしょうか)?

(1):泉房穂市長のポケットマネー(個人資産)
(2):明石市の市税(市民があまねく負担)
(3):国の税金(国民があまねく負担)
(4):明石市の市債(市民が将来負担する借金)
(5):その他

 

 

明石市のウェブサイトで、当該事業のページを見てみましょう。出産応援給付金と子育て応援給付金のそれぞれに、ママたことパパたこのマークが刻印されていて、市のオリジナル事業であるかのように装われています。ただし、問の答えに直接つながることは書かれていませんね。

 

いわゆる「泉派」と呼ばれる、泉房穂市長を信奉する人たちの間では、またまた生き仏のような慈悲深い泉市長様からお恵み(お小遣い)をいただいたと、さながら「中世の封建社会において領主様からの恩寵に感嘆する農奴」のようなメンタリティで、この事業について泉市長に対し万謝・億謝・兆謝が表されているようです。

 

だけど常識的に考えて、(1)ではないですよね。多くの市民は(2)の市税による事業と受け止めているだろうと思われます。待ても、でもこのブログでこのような問いたてがなされるということは、(2)ではなく、(3)か(4)なのかな? 読者の皆さんは、こう答えに悩まれるかも知れませんね。

 

この問のダイレクトな答えは後述しますが、この事業は、国の制度によるものであり、全国全ての市町村において実施されています。周辺自治体において、事業がどのように周知されているか見てみましょう。

 

まずはお隣、加古川市のホームページを見てみましょう。事業の説明文の中で、「妊娠出産子育て支援給付金(国の出産・子育て応援給付金)を支給します。」と、国の制度によるものだと明記しています。

 

次に、播磨町のホームページを見てみましょう。本文中で、「この給付金は、「国の出産・子育て応援給付金による出産・子育て応援ギフト」です。」と、加古川市同様に、国の制度によるものだと明記しています。

 

西脇市のホームページを見てみましょう。本文中で、「この事業は、国の「伴奏型相談支援及び出産・子育て応援給付金の一体的実施事業」に基づき実施するものです。」と、国の制度によるものだと明記しています。

 

芦屋市のホームページを見てみましょう。本文中で、「国が創設した「出産・子育て応援交付金」を活用し…」と、国の制度によるものだと明記しています。

 

神戸市のホームページを見てみましょう。事業のタイトルと本文の両方で、国の制度を活用したものだと明記しています。

 

伊丹市川西市のホームページを見てみましょう。神戸市と同様に、事業のタイトルと本文の両方で、国の政策の一環であることを明記しています。

 

姫路市のホームページを見てみましょう。事業のタイトルの中で、国の事業の一環であることが明記されています。

 

宝塚市のホームページを見てみましょう。宝塚市では、「たからっ子給付金事業」という名称で、一見、市の独自事業のような印象を受ける事業名を用いています。ただし、「国の出産・子育て応援給付金事業」によるものであることをタイトルで明記しています。

 

三木市の広報リーフレットを見てみましょう。三木市では、「みっきぃ出産・子育て応援給付金」という名称で、一見、市の独自事業のような印象を受ける事業名を用いています。ただし、宝塚市と同様に、国の事業によるものであることをタイトルで明記しています。

 

長々と兵庫県内10市町の例を挙げましたが、いずれの自治体においても、出産・子育て応援給付金が国の制度である旨が明示されています。

 

ここでもう一度、わが明石市のホームページをみてみましょう。隅(すみ)から隅(すみ)まで、目に隈(くま)ができるぐらい、何度もホームページの記載を確認しましたが、明石市では、この事業が国の制度によるものであることが全くどこにも記載されておらず、あたかも市のオリジナル事業であるかのように装われています



 

何故、明石市が市民に対し、この事業が国の制度である事実をひた隠しにして、あたかも市のオリジナル事業であるかのように偽装しているのか、皆さんお判りですよね。この事業は泉房穂市長にとって、自身が見栄を張る上で、迷惑な有り難くない邪魔ものだからなのです。

 

というのも、出産・子育て応援給付金事業は、泉市長の看板政策である「おむつ定期便事業」と制度趣旨が全く同一で、後者のほうが「しょぼい」からです。「おむつ定期便事業」は、1回3000円相当の物品を10回に分けて給付するもので、子ども一人あたりの総給付額は3万円程度となります。それに対し、国の事業では、まず妊娠段階でプレママに対し5万円が支給され、出産後には、ベイビー一人につき5万円が支給されます。

 

給付水準の点で、泉市長の看板政策である「おむつ定期便事業」は、国の出産・子育て応援給付金事業に劣後します。なので、出産・子育て応援給付金が目立ってしまうと、「おむつ定期便事業」が霞んでしまうので、なんとしても泉市長としては、出産・子育て応援給付金事業が目立つのを阻止したいのです。見苦しいですね。

 

泉市長は、子育て支援策について、「“明石市独自”の施策」と“国の制度”の二項対立で捉えており、前者の優位性を主張するため、常に後者をディスってきました。「国も発想を転換していただきたいと切に願う。」などと、挑発的なことをつぶやきつつ、それでいて、明石市の水準を上回る子育て世帯への給付事業を国に打ち出されると、自身が威張れなくなるので、はた迷惑なのです。

 

このため、明石市では「出産・子育て応援給付金」を周知する際には、“国の制度”であることを市民には絶対に悟られないよう留意し、盗人よろしく国から財源投入されている事実を隠蔽し、泉市長から市民への浄財であるかのごとく偽計するのです。盗人根性の泉房穂市長の卑しさ、浅ましさ、浅はかさここに極まれりです。

 

さらに付言すると、出産・子育て応援給付金が、“国の制度”であることが市民に知れ渡った際に、泉市長は堂々と次のように主張することでしょう。「出産・子育て応援給付金は、自分(泉房穂)が、国にお願いし、働きかけて実現したものだ。岸田総理も、今回は少しばかり自分(泉房穂)の爪の垢を煎じて飲んだようだ」と。子育て支援策については、全てが自身の手柄だと豪語する泉房穂市長の盗人根性には、本当に感服します。

 

 

最後に、冒頭の問題を再引用します。

 

さて問題です。明石市では2023年1月から、出産・子育て応援給付金の支給が始まりました。妊娠一回あたり5万円、乳児一人あたり5万円が支給されますが、この事業の財源は何でしょうか(費用は誰が払っているでしょうか)?

(1):泉房穂市長のポケットマネー(個人資産)
(2):明石市の市税(市民があまねく負担)
(3):国の税金(国民があまねく負担)
(4):明石市の市債(市民が将来負担する借金)
(5):その他

 

この記事をお読みいただいた皆さんは、(3)が答えと思われるかも知れませんが、正解は(5)です。具体的にいうと、この事業の財源構成(負担割合)は、国:2/3 都道府県:1/6 市町村:1/6となっています。

 

すなわち、事業費の3分の2は国の税金(国民があまねく負担)、6分の1は県の税金(県民があまねく負担)、6分の1は市の税金(市民があまねく負担)に由来するのです。

 

財源構成を考慮すると、各市町村長は、当該事業は自分の手柄であると自慢する権利が6分の1ほど存在し、各都道府県知事にも、当該事業は自分の手柄であると自慢する権利が6分の1ほど存在することになります。

 

だけど、そんな浅ましい愚かな市町村長や都道府県知事などほとんど存在しません。ほとんどの自治体では、国の制度であることを市民に明示するものの、市が6分の1を負担していることをわざわざ言及したりしません。いずれにしても、泉房穂市長の卑しさ・滑稽さが際立ちますね。

 

 

尚書)出産・子育て応援給付金の制度趣旨

国(厚生労働省)が令和4年度補正予算を財源として実施している「出産・子育て応援給付金」について、単なる10万円のバラマキ施策だと早とちりして批判する人もいるようです。しかし当該事業は、「妊婦・子育て家庭への伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施」が制度の趣旨であり、むしろ伴走型相談支援のほうが主目的であり、経済的支援は副次的な位置づけのものなのです。

 

妊婦や、出産間もない乳児を育児する家庭における孤独感や不安感を解消するべく、自治体においてきめ細かい相談体制を構築し、育児等に関する問題が確認された場合には必要な施策につなげることが制度の主目的なのです。そして、市町村が実施する相談支援に応じた妊婦や子育て家庭に対するご褒美として、経済的支援を行う、という立て付けになっています。

www.mhlw.go.jp

ちなみに、経済的支援については、「10万円相当」の給付を国は謳っていますが、現金給付(現金のバラマキ)を前提としたものではありません。現金給付よりも現物給付、すなわち、出産育児関連用具の購入費助成、産後ケアや一時預かり、家事支援サービス等の利用クーポンなどの形で給付することが念頭におかれているのです。

 

ただし、経済的支援の中身は、自治体に委ねているため、現金給付の形をとっている自治体が少なくありません。これについては、事業名を「出産・子育て応援交付金」という名称にしてしまった国の政策ミスと考えます。

 

というのも、事業名である「交付金」とは、国から市町村に対し、市町村が主体として実施する事業のためのお金を交付するという意味での予算事業名であり、子育て世帯に対してお金を交付することを意味するものではありません。しかし、国民に対し、現金を貰える事業との印象を与えてしまったの大失敗だったと後悔しているはずです。

 

ところで、泉房穂市長は、「出産・子育て応援給付金」について、どうケチをつけようか色々と思索しているはずです。予想される泉市長によるイチャモンが、次のような主張です。「伴走型相談支援と言っても、出産後に1回相談に応じるだけでは、全く無意味だ。その点、明石市のおむつ定期便は、計10回にわたって毎月育児者と面会して育児状況等を把握するようにしているので、こちらのほうが子育て世帯への伴走的支援事業としてよっぽど優位性は高い」と。

 

泉市長にとっては残念ながら、この批判は的外れです。というのも、「出産・子育て応援給付金」は分割給付を排除しておらず、おむつ定期便のような形で、出産後に、計5万円相当の物品を分割して供与することが可能だからです。(この場合、月々の配送等に要する経費について、国の補助上限額を超過した場合は、実施主体である市町村の持ち出しになると思われますが)