泉房穂(前)市長の御言葉を検証する明石市民の会

泉房穂(前)市長の過去の発言を振り返り、明石や日本の将来について考えます

新興宗教やマルチ商法と全く同じ手口 泉房穂市長の講演会を騙る事前選挙運動

本ブログでも2回ほど集客のお手伝いをした、泉房穂市長による地元明石での講演会が1月28日に開催されました。

 

この講演会は、1月31日刊行の泉房穂著『社会の変え方、日本の政治をあきらめていた、すべての人へ』の刊行を記念して、版元であるライツ社が企画したものです。28日に開催された講演会を皮切りに、地元明石や東京、大阪などで、サイン会や対談会などの出版記念イベントが企画されています。サイン会は新著購入が必要で、対談会は有料ですが、28日の講演会だけは、著書を購入する必要もなく参加費は無料でした。

 

泉房穂市長のありがたい講和を拝聴するのに、お布施を一切包まないのも申し訳ないと思いつつも、新著さえ購入することなく、私たちも一聴衆として参加してきました。

 

泉市長が講演の中で、マスコミ関係者もたくさん聞きに来ているとわざわざ言及していたので、翌日か翌々日には、本講演会に関する記事が一般メディアで1本、2本掲載されるのだろうと予想していました。

 

しかし、どこのメディアでもこの講演会のことが取り上げられる気配がなく、泉市長が哀れなので、本ブログにおいて講演会の模様を紹介して差し上げることにします。

 

会場を間違ったのかな?

この講演会は1月28日の19時から20時までの1時間の予定で、講演終了後には新著購入者向けの握手会兼記念撮影会も予定されていました。

 

開演15分ほど前に会場入りすると、会場の前の方の100席は8割程度埋まっている状態でした。真ん中あたりの席に座ろうとして、空いている席を一瞥したところ、講演会ではなく選挙の後援会か何かに会場を間違って入場してしまったのかと動揺してしまいました。

 

というのも、各座席の折り畳み簡易テーブルには、講演資料の入った封筒の上に、テーブル一面に、某地域政党から立候補予定の6名の人たち(いわゆる泉チルドレン)のチラシが所狭しと並べられていたからです。

 

 

 

このイベントは、あくまでも出版社が主催する新著出版記念の講演会であり、泉市長の後援会ではないはずです。それとも、ライツ社なる出版社は、泉房穂後援会の別動隊なのでしょうか。

 

 

そのような疑問を持ちながら、開園までの間、どんな人たちが参加しているのか、会場を眺めていました。20代から60~70代ぐらいまで、まんべんなく参加していましたが、20~30代の若い世代が目立ちました。男女はほぼ同等か、やや女性のほうが多い印象でした。夫婦か友人か分かりませんが、若い男女ペアも何組か見かけました。赤ちゃん連れもいましたね。

 

泉市長のツイッターによれば、講演会は満員御礼のようでしたが、得意の見栄っ張りの虚偽報告です。300弱の座席のうち、最終的には200人強の席が埋まっていたと思われますが、あちらこちらで空席が目につきました。Peatixのサイトを確認したところ、最終的な一般申込者数は231名だったようです。2週間、広報に広報を重ねた結果のこの参加者数なので、市長の人気のほどが知れます。

 

開演5分前の18時55分になると、ライツ社の大塚社長と手話通訳者が壇上に現れ、主催者挨拶を始めました。自身も明石出身で、2016年に独立して地元明石で出版社を開業したなどと簡単な自己紹介をやってましたが、いかにも中途半端な意識高い系のあんちゃんって感じの雰囲気を漂わせていましたね。

 

 

定刻1分前に、お待ちかねの泉市長様のご登壇となりました。

 

ジャスト60分間の市長講演は3部構成となっていました。第1部では20分強で、自らの生い立ちと政治家を志願した動機について熱弁を振るい、第2部では20分強で、市長としての12年間の「実績」を絶叫し、第3部ではエキストラ出演者を交え「今後」について語りました。順に見ていきましょう。

 

第1部で、冷たい社会への「復讐」を語る

今回の新著『社会の変え方、日本の政治をあきらめていた、すべての人へ』のキャッチコピーは、「市長になったのは、障害を持った弟に対する冷たい社会への「復讐」だった」です。講演でも自白していましたが、「復讐」というドギツイ言葉は泉市長が従前から用いていたワーディングではなく、最近するようになった自己PR用のセールストークようですが、ともあれ、講演の冒頭では、「復讐」をキーワードに自らの生い立ちと、政治家を志願した動機を語っていました。

 

決して裕福ではない漁師の子どもとして生まれ育ったこと、身体障害を持つ弟は医師から一生歩けないと宣告されたこと、絶望のあまり弟を道連れに心中しようとした過去がある母親は、障害者運動の先頭にたって障害者の処遇改善に取り組んできたこと、普通学校への進学を認められたものの市からは不条理な条件を突きつけられたこと、差別・偏見など社会から虐げられてきた一家の悲劇を泉市長は言葉巧みに語ります。

 

そして、弟や自身、一家を虐げてきた社会に復讐するべく、必死の思いで独学・苦学の末に東大に現役で入学したといったというサクセス・ストーリーで第1部は完結です。

 

強烈な反発を食らうことを覚悟の上で直言しますが、はっきり言って、泉市長は、障害を持つ弟のことを、感動ポルノの消費対象であり、自分がのし上がるための踏み台の程度にしか思っていないという本心が露呈していたように思います。とはいえ、第1部のお涙頂戴ストーリーを耳にして、感涙にむせった聴衆が少なからず存在したようです。

 

心を揺れ動かす話題で、聴衆の心をキャッチ出来たら、演者は勝者の座を獲得することに成功したのも同然です。というのも、情緒的な話題にウルウルしてしまった群衆は、すっかり演者の虜となり、正常な判断能力を一時的に喪失してしまうからです。いったん演者に心を支配された群衆、すなわちマインドコントロールを受け洗脳されてしまった群衆は、演者が非合理的でデタラメな主張をしても、盲従してしまうことになるのです。

 

第2部では、市政自慢話のオンパレード

第2部においては、泉市長のお得意の市政自慢話のオンパレードです。定番スライドをピックアップしつつ、人口増による好循環だの、なんとかランキングで明石市が第一位を獲得したなどといった、泉市長の偉大なる「功績」の数々を早口で大声でまくしたてていきました。

 

本ブログでこれまで縷々紹介してきたとおり、泉市長が自慢している手柄はどれもこれもエビデンスを欠いた粉飾だらけです。一例をあげると、今回の講演でも悪びれることなく、税収・貯金・借金の3連図を晒していましたね。右側の「借金 減っています!」の図に関して言うと、実質公債費比率を持ち出すことはナンセンスである上に、実際には、8年間で200億円以上借金が増大しているという事実を隠蔽し、市民を欺いていたのです。

 

 

右側の図は、正確には、このように図示すべきところなのです。あまりの不誠実かつ悪質な事実の隠蔽・捏造に、ただただ呆れるばかりでした。

 

 

akashi-shimin.hatenablog.jp

 

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借金に関する一例の提示に留めますが、第2部での発言は嘘八百の連続でした。しかし、第1部でお涙頂戴ストーリーに感化されてしまった人は、泉市長の出まかせに何ら疑問を感じることなく市長に拍手喝采を送っていたようです。

 

情緒的な話題のシャワーを浴びせて理性を麻痺させた上で、話題を切り替え、非合理な情報を吹き込んで妄信させる、というものの見事な泉市長の手口は、カルト教団や悪質なマルチ商法のそれと全く同一です。

 

第3部で登場したのはマネキンではなく…

クライマックスの第3部は泉市長は今後についての言及です。失言の責任をとって市長の職を辞するのが政治家としての責任の取り方である。しかし、全国から辞めるな、日本のために継続してほしいという励ましの言葉が殺到しており、これまでの政策を継続させることも責任の取り方であると確信するに至った、要旨このようなことを泉市長は滔々と述べました。

 

なるほど、4年前と一緒で、周囲から強い要請があったことを口実として今回も前言撤回して出馬する気満々なんだなと聞いていたところ、舞台の袖から、同一のタスキを巻き付けられたマネキンのようなカカシのような物体が6本、整然と登場しました。よく見ると、人形でもカカシでもなく、人間でした。なんとなんと、某地域政党から立候補予定の泉チルドレンたちではないですか。

 

泉市長の新著刊行記念の講演会のはずが、最後の最後の土壇場で、いわゆる泉新党の選挙事前運動に豹変したのです。6匹のチルドレンが順に、「今の明石があるのは、全て泉市長のお陰です」などとグル(教祖様)への恭順の表明と簡単な自己紹介を行っていました。

 

こうして、60分間の講演は幕を閉じました。狐につままれたような、何とも不思議な出版記念講演会でした。まあ、カルト教団の密儀を参与観察している気分でそれなりにエンジョイできましたが、ここまで露骨に選挙事前運動を展開すると、マスコミはドン引きして記事として取り上げる気力は失せてしまうでしょうね。